肌荒れと老化肌~角質層の劣化・肌の新陳代謝サイクルの阻害が原因
秋・冬の乾燥する季節や、紫外線の強い夏の時期には、ちょっと手入れを怠っただけで肌のかさつきも増して、カラダのみずみずしさが失われていくような気がしますよね。
肌の表面には、外からの刺激をはねかえして肌の内部を守り、同時に体内の水分が逃げないようガードする役割を果たす「角質層」があります。
しかし、さまざまな外からの刺激によって肌のうるおいが失われると、この角質層の抵抗力は少しづつ弱まっていきます。
また、肌の抵抗力は外気の乾燥だけでなく、加齢によっても、おとろえていきます。
歳をとるにつれ、皮脂量の分泌が減ってくるため、古い角質がはがれ落ちてまた新たに形成されるというサイクルが遅れがちになり、そのぶん古い角質が肌にとどまる時間が長くなります。
そのため肌機能も低下し、肌の表面が荒れてざらつき・かさつきにつながってゆくとともに、ひどい場合には発疹やシミ・かゆみなど、様々な肌のトラブルを生じることにもなるのです。
肌の内側にはたんぱく質の一種である「コラーゲン」があり、これが肌の弾力性を保っています。
しかし、加齢によってこのコラーゲンを合成する力が衰えてくるため、肌は弾力を失い、しわやたるみとなって現れてきます。
そして肌の大敵は、空気の乾燥や紫外線のような外からの刺激だけでなく、体の内側にも潜んでいます。
それは「体の冷え」や「睡眠不足」、「過剰なストレス」「喫煙」「栄養の不足や偏り」などで、これらによって皮膚の細胞に必要な酸素や栄養を届けるための血流が悪化し、結果として肌の新陳代謝が阻害されるからです。
冷え性の方であれば、毛細血管が収縮して血行が悪くなりがちなため、肌の細胞が酸化して栄養も行き届かず、そのハリやツヤが失われやすくなります。
またスキンケアに対する意識が乏しい男性や高齢者の場合は、乾燥が進んだ肌を放置していることが多いことに加え、喫煙によってビタミンCなどが破壊されるために、新陳代謝が妨げられて肌荒れとなっているケースも多いのです。
これらは最終的に、40~50歳代になったときの肌のシミやシワとして現れ、いわゆる「老化肌」につながっていく可能性が高いのです。
肌の保湿ケアのポイント~内と外からの両面作戦
上に述べたような肌荒れや老化肌を防ぐためのスキンケア対策のポイントは、「体の”外”と”内側”の両方から肌にうるおいを与え、それを閉じ込めること」です。
肌のみずみずしさを保つため、保湿クリームなどによって肌の表面に油分を補給し、あたかもふたをするようにそれを閉じ込めることを、積極的に意識したお手入れをすること。
同時に、肌にダメージとなる強い刺激を外から受けないよう日常生活において気配りをする。
さらに肌の新陳代謝に不可欠な栄養の摂取や、肌にプラスの作用をもたらす生活習慣を取り入れるなど、その改善にもつとめること。
このからだの「内」と「外」から両輪の保湿ケア対策をとることによって、長い目でみて加齢による肌のダメージなども、最小限にとどめることができるのです。
スキンケアの実際~日々の生活で、肌をいかに保湿するか
肌荒れ・老化肌対策としてのスキンケアは、まず洗顔をしっかり行って汚れを落とした後に、肌表面に水分と栄養をたっぷり供給するための化粧水をつけます。
ただしそれだけでは、空気が乾燥していると水分がすぐに飛んでしまいます。
また肌が乾燥していた場合は表面の角質層の並びも乱れているため、水分が逃げやすい状態にもなっています。
したがって、その後さらに保湿クリームなどを塗ることで、供給した水分を油分のふたで閉じ込めるわけです。
洗顔の時はこすりすぎて肌荒れを起こさないよう、泡立ちのよい洗顔料で泡を十分にたてて、こすらないようにやさしく洗うとともに、その後のすすぎをしっかり行います。
すすぎが不十分だと、これも肌荒れにつながるからです。
そして洗顔後は、顔のまわりを指の腹で軽くマッサージするとよいですね。
眼球を避け、顔の外側に向かって円やらせんをなめらかに描くよう、やさしくすべらせるよう肌をマッサージしていきます。
顔が終わったら首筋も、下に向かってなでおろすようにさすっていきましょう。
肌の乾燥は、わたしたちの想像以上にはやいスピードで進みます。
そのため、洗顔ではすすぎの後はできるだけ時間をおかず、化粧水そして乳液・クリームをたっぷりつけ、肌の保湿を早めに行ってしまいましょう。
また、保湿はなにも顔や手足だけとは限りません。
肌荒れの進んでいるひざ下や首回りなども、お風呂上がりの機会などをとらえては保湿ケアを忘れずに行い、いたわってあげるようにしましょう。
肌から水分や脂分が失われてかさかさになった状態なのにさらに石けんを使うことで、脂分を奪っているわけです。
特に洗髪時のシャンプーがかかりやすい首筋や肩に注意し、お風呂上がりには乳液やベビーオイルなどをつかって、脂分を全身の肌に補給するようにします。
ちなみに入浴時は、熱々の湯ではなく、ややぬるめの湯(37-39℃くらい)に、ゆっくりとつかるのがよいとされます。
その際は保湿効果の高い入浴剤を使うとさらに効果的です。
日常生活における肌対策の目配りのポイントも、追加しておきます。
冬場の乾いた室内は肌にダメージを与えるため、部屋や寝室は加湿しておきたいもの。
肌のうるおいのためには、60%くらいの湿度がもっともよいとされます。
できれば加湿器があるとよいですね。
また特に冬場は、体の冷えを防ぐためにも、ウールなど保湿性の高い衣服を着るようにします。
食事後の水仕事で食器洗剤(界面活性剤)を使うと、手の皮脂が奪われて肌荒れも進みます。
食器洗い専用の手袋をするのがベストですし、最低でも水仕事後のハンドクリームによるお手入れは欠かさないようにしましょう。
体の内側から行う肌荒れ・老化肌対策~栄養・睡眠・ストレスなど
冒頭にも述べたとおり、栄養への目配りと十分な睡眠、そして適度な運動によって体の新陳代謝を活性化する「内部対策」も、肌荒れ・老化肌対策としてはできる限り怠らないようにしたいものです。
美白ビタミンといわれる「ビタミンC」はメラニンの過剰生成を防ぎ、肌に有害な活性酸素の発生を抑える働きがあります。
肌の新陳代謝を助けるはたらきをする「ビタミンE」や、抗酸化作用のある「コエンザイムQ10」、水分を抱え込むことで肌の保湿を果たす「ヒアルロン酸」、水分の吸着作用があるため肌のはりを保つ「コラーゲン」などの諸栄養素も、肌にとってよいとされています。
食事からとるのが難しい場合は、栄養補助サプリメントも活用しましょう。
ただしひとつ覚えておいていただきたいのは、「これらの栄養素は、食べたぶんがそのまま肌に活かされるものではない」ということです。
たとえばコラーゲンは、消化分解されアミノ酸となって吸収されてしまうため、そのままコラーゲンとして肌の調子に作用することはありません。
しかし、コラーゲン摂取によって体内のコラーゲンの合成が活発になるなどの効果があることが最近の研究で判明するなど、肌によいとされる栄養素の摂取による間接的・副次的な効果は期待できます。
これらの栄養素をバランスよくとることへの関心は、やはりおろそかにしたくはないものです。
日常生活では、残業続きの睡眠不足やストレスの蓄積を避けるよう心がけることです。
肌の細胞分裂と再生は、睡眠時の成長ホルモンの分泌によって果たされます。
夜の10時~2時頃が成長ホルモン分泌のもっとも盛んな時間帯で、美肌づくりにとってもゴールデンタイムとなります。
社会人は仕事の残業などもあってなかなか難しいかもしれませんが、それでもできるだけ夜12時前の一定時間には眠りにつくようにして、睡眠リズムを整えるようにしたいものです。
また強いストレスの蓄積はビタミンCを大量消費するといわれており、お肌にとってはもちろんのこと、体によいはずがありませんね。
帰宅後は、ぬるめのお風呂でリラックスするなどして、いつも同じ時間帯に眠りにつくように心がけることが、ストレス軽減にも大きく役立ってくれるはずです。
これらのすべてを実行するのはなかなか難しいとは言え、総合的な肌荒れ・老化肌対策は、乾燥の進んだ冬場などはとりわけ大切になります。
寒いからといって、日々のこまめな肌対策をなるべくおっくうがらないようにしたいものですね。
また、すでに肌荒れが相当進んでいるという自覚がある場合、あるいは深いひびやあかぎれができていたり、かきすぎて肌をかき壊してしまったような場合には、あれこれと自己療法を試す前に、先に皮膚科を受診して今後の対応を相談するようにしましょう。
最後になりますが、お肌に関する姉妹サイト「皮膚のかゆみ 2分で対策~肌の乾燥はこうして防ぐ」も、よろしければあわせてご覧ください。
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